初めて公開された泉ガーデンレジデンス
場所に居室や寝室を持ってくると後悔します。
メーカーハウスでは排水管に防音処理をしたり、グラスウールで覆ったりして工夫しているものもありますが効果のほどは完璧とはいかないようです。
高断熱、高気密の家は当初は1台のエアコンやヒーターで全館冷暖房可能という触れ込みで、オープン形式の家がもてはやされたのですが、屋内の防音性を考慮に入れるとこれは弱点になりません。
隣の部屋の音に対しては、間仕切り壁の中にグラスウールなどの断熱材を入れる手法がよく用いられますが、床下同様、遮音シートの施工が優れているとの報告もあります。
どちらにしても、本格的な防音を望むのであれば、室内感覚ではなく、屋外感覚で設計する必要があるでしょう。
つまりその部屋の気密性をきちんととる必要があります。
それで、オーディオルームなどのドアは、室内用ではダメで、屋外での使用にも耐え得るような頑丈なものを用いなければなるところです。
それで、ライフスタイルの面からプライバシーを重視する場合は、熱の移動の面では不利になりますが、各部屋に頑丈なドアを付けたクローズド形式でやるしか仕方がないでしょう。
同様に、計画換気では家全体の空気の流れを考慮して設計することが重要なのですが、空気の流れに沿って、音も流れる恐れがあるので、室内の防音を特に必要とする場合は細かい配慮がいります。
一例を挙げれば、トイレは空気の流れに配慮して、ドアの下にわざと隙間を開けたり、ドアにガラリ(通気口)をつけたりすることが普通に行われているのですが、音が外部に漏れるという問題は出てきます。
それで、このような場所には、空気は通すものの、音は遮断する通気口がフクビ化学工業などで開発されていますので、活用できるでしょう。
日本は、ただでさえ四季の変化の大きい国ですが、最近は異常気象のせいか、数日で気温が大きく変わるときがあります。
また、昼夜での温度差が激しい地域も内陸部には少なくありません。
私は子供の頃、夏休みの宿題で毎日の気温調べをしたことがあったのですが、寒冷前線が通過して気温が急激に下がった日がありました。
そのとき、見事にカゼをひいて熱を出したので、気温の変化と健康には深い関わりがあることを幼いながらも実感したものです。
また、正確に統計を取ったわけではありませんが、気温が激しく変化している時節は、葬儀屋の前の花輪が多いように感じています。
年をとった人は気温の変化についていけないということでしょうか。
そんなわけで、気象の変化に打つ手はなくても、室内の温度の変化には対策をとり実際に試みられているのは、室内に蓄熱体としてコンクリートや煉瓦や石の壁を設置する方法です。
このようにする主意はデザインにあるのかもしれませんが、蓄熱体としても有効になり得ます。
これらは、比熱は水に劣りますが、重量があるので熱容量を稼ぐことができます。
ただ、これらの素材の持っている肌合いが人にとって本当に優しい感触となるのかどうかは疑問です。
私自身は室内にコンクリートや石がむき出しになっている空間にはストレスを感じます。
現実的な方法は内壁材として既に普及している石膏ボードを積極的に活用することです。
石膏ボードは石膏の中に結晶水として多量の水を含んでいます。
それで、火事の際には水が放出されることにより燃焼を防止する効果がありますが、積極的に温度の変化を少なくする工夫について考えてみましょう。
室内の温度変化を少なくする方法は、屋内に熱容量の大きな素材を設置することです。
言い換えれば蓄熱体を置くということです。
水は比熱が最も大きく、そのため海岸近くは、夏は涼しく冬は暖かい海洋性気候となることで知られています。
それで、室内に水タンクを幾つも置けば物理的には蓄熱体として有効になるかもしれません。
ただ、水は比重が小さいのでスペースの問題がありまそれで、このアイデアは実践されているのを見たことはありません。
内装材の熱容量は体感温度の面でも大切な要素この石菖ボードを蓄熱体として考えると、総量が多いだけ効果的です。
それで、内装材として用いる石膏ボードの総量の熱容量を計算して、積極的に用いると熱変動の少ない家造りができます。
家の坪数によっては、厚手の石膏ボードを使用し、場合によっては二重貼りにするほうが、熱変動を防ぐためには効果的です。
原理的には、小さい家ほど熱容量は小さくなるのですが、石膏ボードの用い方次第では熱容量の大きい家を造ることが可能になります。
もちろん、石膏ボードにはクロスなどを貼るので見た目の問題はありません。
内装材の熱容量を考慮することは、実は体感温度を考える面でもとても重要なことです。
私たちが肌で感じる温度は、実際には室内の気温だけではなく、壁や床や天井が持っている温度からも大きな影響を受けています。
つまり、これらの内装材からの幅射熱(冷幅射も含む)を体は感じ取っているわけです。
断熱や遮熱の悪い家で、夏場天井が日射で焼けると、どんなに冷房を入れて室温を下げても涼しく感じないのはこういう理由があります。
また、冬季に断熱の劣る窓際が寒く感じるのも、窓からの冷輯射が原因になっている場合があります。
具体的には、体感温度は室内の気温と内装材の温度を足して2で割ったものとされています。
そんなわけで、実際に熱容量の大きい家に住んでみると、室温以上の効果を体感することができます。
つまり、冬季は日中の日差しを室内に導いて家を暖めておくと、夜になっても家自体が冷めにくくなり、内装材が幅射熱を出してくれるので、室温以上に暖かく感じます。
また、夏季は夜間の気温が下がる地域では、窓を開けて冷たい空気を屋内に入れて家を冷やしておくと、日中は窓を閉めて遮熱に注意を払えば、内装材からの冷幅射があるため暑さを和らげてくれます。
計画換気のため空気自体は定期的に入れ代わっていて、室温もそれにつれて外気と同様変動するはずなのですが、家自体の熱容量が大きいと、その影響は随分少なくなります。
それで、この手法は昼夜の温度差が大きくて、しかも1日の最高温度と最低温度の平均が ℃ほどの地域ではとても効果的な方法となります。
本来は、昼は冷房、夜は暖房が必要な地域でも、断熱と気密を十分にとって熱容量の大きい家を造ると、室内の温度はちょうどその中間で推移するため冷房も暖房もいらない家になります。
熱容量を無限に増やせば、1年を通じて冷暖房を必要としない家も理論上は造れるはずですが、半年分の熱エネルギーを蓄えるための蓄熱体は家1軒では納まりきらないので、実現は困難です。
温度差については、家の中での温度の違いにも注目する必要があります。
暖かく暖房されたリビングなどから、暖房のない廊下やトイレに行くと、その温度差が大きいためヒートショックが原因で脳卒中になりやすいということは先に述べたとおりですが、従来の家ではこの温度差がかなり大きな問題になっていました。
高気密、高断熱住宅の場合も、温度差があると、寒い部屋で結露が発生することがあり、カビ、ダニ対策の面で良くありません。
高気密、高断熱住宅では、熱が逃げないため本質的に家の中の温度差は少ないのですが、工夫することによって、その差を少なくすることができます。
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